「輸入車と日本車」体幹および味の違い

同じコンパクトカーでもデミオと206には

車の本質的な部分で差があったような気がします。


デミオは車重1000kgを切る軽量化を果たしたモデルですが

206の車重は1040kgで、それほど違いはありません。

でも、206に乗った後だとデミオは「軽いだけ」という印象を持ってしまいます。


例えるなら、デミオは男性アイドル、206はボクサーではないでしょうか。

両者とも贅肉がついていないスマートな身体ですが、

ボクサーの体は厳しいトレーニングと減量を行って鍛え上げています。

「体重」が同じでも「体幹」が違います。


あと、「味の濃さ」が違うとも感じました。

デミオは快適な車だと思います。でも、味が薄いんですよね。

いまいち車に乗っているという感覚が薄い。


日本のメーカーは高い設計力があり、壊れにくい車を作る技術があります。

でも、大事な部分でコストダウンをしてしまっているように感じます。


そして、日本のメーカーは「快適性」を追求しすぎるように感じます。

快適性も大事ですが、車の本質的な部分をコストダウンすると

快適性が勝ち過ぎて車とドライバーの間に必要な独特のフィーリングまで

そぎ落とされていく気がします。


食べ物は薄味のほうが好きですが、車は味が濃いほうがいいですね。

その味の濃さを求めていくと、どうしても輸入車を選択することになってしまいます。


もし、大事な部分にお金をかけるとデミオの価格は206並みになるでしょう。

不景気の今、そんな車がどれだけ売れるか分かりません。

でも、新しいVWポロは好調な売れ行きです。

世の中には、タイヤが4個ついていて走れば何でもいいという人も数多くいて

その人たちに向けた車づくりをしたほうが利益が上がるというソロバンのはじき方を

日本のメーカーがしているとすれば残念なことです。


安価な車も必要でしょうが、安価な作り方に慣れてしまうと

最低限必要な哲学などを失ってしまうのではないでしょうか?

それではいつか方向性を見失ってしまうのでは?


そんなことを感じた206の試乗でした。


さて206の試乗後、僕は別の206を見つけ試乗に行きましたが、詳しくはまた次回。

それでは今日はこの辺で。